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「ギャハハハハハアハハハア!!!!!」 狂った笑い声が夜に響く。 男は血に飢えていた。その身体は血に満ちていた。 出会い頭に少女の腹部へと爪を突き立て、身体を引きちぎり、浴びた血と臓物の温もりに快感を得ていた。 男は世間的に言えば、異常者だった。 猫を捕まえては解体し、芸術のように活け造りにして人目の着く場所に飾り。 そんなことを繰り返している内に、彼はヴァンパイアと呼ばれる存在に"なった"。 彼は確信した。自分は特別な存在なのだと。 だから簡単に人を殺せる力を手に入れられたのだと。 (だが俺も馬鹿じゃあねえ...遊ぶ順番は考えないとなあ) 彼は一度敗北していた。 楽しもうとするのに夢中になってる隙を突かれて殺された。 だから、今度は間違えなかった。 人間、身体を両断されてもすぐには死なない。だから、言葉を交わすのはバラしてからにした。 楽しめる時間は短くなるが、そのぶん濃厚な時を過ごせればいい。 「なぁ、なあナァナァ!?聞かせてくれよお嬢ちゃんよぉ!?」 男は少女の顔を覗き込みながら下卑た笑みを浮かべる。 この少女はどんな絶望の顔を見せてくれるだろうと胸を高鳴らせながら。 「最期に会いたい奴はいるかぁ!?残したい言葉はあるかァ!?最後の最後に見るのが俺のツラなのはどんな気分だァ!?」 「最悪よ。『私たち』があなたみたいなやつに消費されてたなんて思うとね」 酷く冷めた声だった。 絶望でも悲しみでもなく。込められるのはただただ純粋なる嫌悪感のみ。 「あ?」 男の目が見開かれる。なぜ、この少女は身体を両断されたというのに、こうも淀みなく言葉を発せるのか。 何故、死が近いというのに絶望を微塵も感じさせないのか。 その答えは、一発の銃弾を持って思い知らされる。 「!?」 肩にはしる激痛に男は動きを止める。 銃弾が飛んできたであろう方角へと顔を向ける。そこには宙に浮いたマスケット銃があった。 それだけではない。 瞬きする間もなく、マスケット銃が増殖していくではないか。 「な、ぁっ」 男が驚愕する暇もなく、マスケットの撃鉄が叩かれ一斉射撃が始まる。 視界を埋め尽くす弾丸の雨あられに抵抗する術はない。 ただヴァンパイアの身体能力に賭けて耐えるのみだ。 「ッ、ソッガァ!」 もたらされる一撃一撃は確実に男の身体を削り取っていく。 その度に男の心は焦燥に包まれていく。 あり得ない。ヴァンパイアと化したこの俺がこんな一方的に甚振られるなどと。 いや、それ以上に。これがあの小娘の仕業なら、なぜ奴は生きている!? その問いに答える者はいない。 なぜなら。 「ティロ・フィナーレ―――ホーリーナイト」 その掛け声とともに現れた巨大な砲弾で男の存在は消されてしまうのだから。 【猫殺し(猫を虐殺していた吸血鬼)@血と灰の女王 死亡】 「......」 少女―――巴マミは、砲弾で削れた地を冷めた目で見つめていた。 裂かれた身体や内臓は元に戻り、出血も既に治まっている。 何故か―――彼女が、力と引き換えに魂を抜かれた身体である魔法少女だからだ。 だから、身体を治す魔力さえあればどんな怪我も簡単に治り、魂であるソウルジェムさえ砕かれなければ滅多に死ぬことは無い。 「...初めて魔女以外を殺したけれど、こんなものなのね」 男は明らかな異形だったが、意思はハッキリとしていたし、少なくとも魔女でないのは確かだった。 それでも、精神的な動揺や殺害への嫌悪感は一切感じていない。 元来は誰かを助ける為に培ってきた力の筈なのに、それを破壊へと向けることにもなんら躊躇いを抱けなかった。 元来の彼女であればありえないことだ。しかしいまの彼女は正常ではない。 『神浜聖女のウワサ』に呑まれた巴マミ―――通称、『ホーリーマミ』である。 「こんな争い、一刻も早く終わらせないと...!」 彼女の目的は殺し合いを止めることではない。この地に呼ばれた参加者を始末し優勝することである。 本来ならば選ばない選択肢も、いまの彼女なら躊躇いなく選んでしまう。 巴マミならば優先すべきは力無き者の保護だが、ホーリーマミにとって救済すべきは魔法少女である。 それが彼女の属する『マギウスの翼』の方針。故に彼女はそれに従う。 「私はこんなところで死ぬ訳に行かない...全ての魔法少女の救済を成し遂げる為にも!」 決意と共に聖女は征く。 例え己が蛇蝎の如く嫌われようとも―――救うべきものを救う為に。 【巴マミ(ホーリーマミ)@マギアレコード】 [状態]:魔力消費(小) [装備]:神浜聖女のウワサ [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~5(猫殺しのものを含む)、猫殺しの首輪 [思考・状況] 基本方針:生き残る。 1:現状は優勝狙い 2:マギウスの翼の面子がいればそちらの生存を最優先させる。 3:鹿目さん達がいたら... [備考] ※参戦時期は不明(少なくともゲーム本編でやちよと和解する前。その為、ゲーム版でもアニメ版でもどちらでも可)。
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第一回放送までの死亡者リスト 時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 凶器・決め技 未明 シャンプー スバル・ナカジマ 024 現れた魔女! その名はノーザ!! 撲殺 リボルバーナックル 黎明 相羽ミユキ 溝呂木眞也 046 魔法、魔人、悪魔 消滅 闇弾 照井竜 出血多量(刺殺) メフィストクロー 速水克彦 園咲冴子 047 魔獣 焼死 光弾 園咲冴子 三影英介 消滅 大砲 早朝 来海えりか 月影ゆり 041 再会、それは悲劇 刺殺(毒殺?) 破邪の剣 巴マミ モロトフ 052 ラブとマミ 終わらない約束!(前編)052 ラブとマミ 終わらない約束!(中編)052 ラブとマミ 終わらない約束!(後編) ソウルジェム破壊 魔力消費 ズ・ゴオマ・グ スバル・ナカジマ 056 変身超人大戦・開幕056 変身超人大戦・危機056 変身超人大戦・襲来056 変身超人大戦・イナクナリナサイ056 変身超人大戦・最後の乱入者056 変身超人大戦・そして―――― 吸収 ソレワターセの触手 鹿目まどか 圧殺 高町なのは 撲殺 リボルバーナックル 池波流ノ介 焼死 ディバインバスター 本郷猛 筋殻アクマロ 刺殺 削身断頭笏 ユーノ・スクライア ゴ・ガドル・バ 059 答えが、まったくわからない059 答えが、まったくわからない(後編) 出血多量(撲殺) ゴ・ガドル・バの拳 フェイト・テスタロッサ 撲殺 三影英介 一文字隼人 060 血染めのライダーパンチ 撲殺 ライダーパンチ 暁美ほむら 涼村暁 066 白と黒の黙示録(夜明けの鐘)066 白と黒の黙示録(暁の決戦)066 白と黒の黙示録(円環の理)066 白と黒の黙示録(微笑みの出発) ソウルジェム破壊 シャイニングクロー ノーザ スバル・ナカジマ 070 Lの季節/I don t know the truth070 Lの季節/手ごたえのない愛 吸収 腑破十臓 大道克己 071 Kは吠える/永遠という名の悪魔 刺殺 昇竜抜山刀 【残り48人】 最期の言葉 名前 最期の言葉 シャンプー 「お前は……お前は一体……!?」 相羽ミユキ (アキさんと幸せに────) 照井竜 (どちらにせよ、守るという約束は果たせなかったか…………すまない) 速水克彦 「冴子さんは、冴子さんはどうした……ッ!?」 園咲冴子 (誰でもいいから、早くこいつを何とかしてよ……) 来海えりか 「え?」 巴マミ 「……ありがとう!」 ズ・ゴオマ・グ 「ア……ア、ア、ア……ア……?」 鹿目まどか 「うう゛っ……!」 高町なのは 「アインハルトさん、危ないっ!」 池波流ノ介 (殿……!) 本郷猛 (すまない、沖一也……そして後は頼んだぞ、仮面ライダースーパー1。お前はこの殺し合いを打ち破る鍵を握っている男だからな……) ユーノ・スクライア 「ありが、とう……心配して、くれて……やっぱり、君を信じて……本当に、よかった……!」 フェイト・テスタロッサ (……ごめんなさい) 三影英介 「どうせならお前に倒されたかったぜ、ゼクロス」 暁美ほむら 「私……名前負けせずに……格好良くなれたかしら……?」 ノーザ 「後は……任せたわ……アクマロ……君……」 腑破十臓 「この斬り合いで果てる事が出来れば、俺も本望……仮面ライダーエターナル、続きを楽しみにしているぞ」 殺害数ランキング 順位 殺害者 殺害数 被害者 生存状況 スタンス 1位 スバル・ナカジマ 6人 シャンプー、ズ・ゴオマ・グ、鹿目まどか、高町なのは、池波流ノ介、ノーザ 生存 対主催→洗脳 2位T 溝呂木眞也 2人 相羽ミユキ、照井竜 生存 扇動 ゴ・ガドル・バ ユーノ・スクライア、フェイト・テスタロッサ 生存 無差別 4位T 月影ゆり 1人 来海えりか 生存 優勝狙い 園咲冴子 速水克彦 死亡 対主催→洗脳 三影英介 園咲冴子 死亡 無差別 モロトフ 巴マミ 生存 無差別 筋殻アクマロ 本郷猛 生存 特殊 一文字隼人 三影英介 生存 対主催 涼村暁 暁美ほむら 生存 優勝 大道克己 腑破十臓 生存 無差別 第一回放送まで 第二回放送まで 第三回放送まで 第四回放送まで 第五回放送まで ゲーム終了まで
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infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 ベリトの間 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 フェゴールの間 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 ゼブルの間
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/レVVVVVVVV イ _____ / / /////////|、_ / ∠ ////r  ̄ ̄ ̄ `ヽ、 / /ヽ/^^\ x≦⌒ ,、_//|l / | \ / / ( 〆 ミ ,.r ´ ̄ {l、 ll,/ i / , ,ィi、 トゝ | ′_ノ ― ム ヾ レ´`>' r,‐ | // / ,.ノ/ } | | ` 从| (>) (● ) §从、ゝ / ゝ- | .| l/ .| ./ ,/ /,--l/l | | (__人__) §ル′ / ,.イ / ,} | {. ,rV´ ,.--、レl| ト。 `ー ´ 。イ レ´__|_/ノ__A ヽ l{ ,-- } /} 。 。.┌─、 | `ヽ l|ヽ ,,, ` ,{ < _|\ ∞ /| _,ノ'⌒ヽ、 ヾニ>、ヽ , ,} ヽ、 _ ‐' /ヽ / 0i .\/ {′ \ r――-- } / ヽー―- -/ ヾ_,.// / , | 。 | ヽ. {ニニ-、 Y / `ー―‐'ヽ、 -{--,- ./ i | l , ハ } / | , .---、 ヽ }-'_____,r--、 ./ |/ 0| 。 .| ‐ , / } / { レ' ヽ Y { } l{ }}、 / { /| | .| // /| (__ ヽ、_ l `ヽ、 ,} -ゝ=='ノ { 、_)ノ′ | | .i .{ |  ̄ ヽ / ゝノ-'/´\\ 、 ヽ、 .| {i | ‐ /∧ ' |【ギャル夫withマミさん】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃■ステータス■┃【統率】3 【武勇】9 【情報】6 【政治】8┃┃■武勇内訳■┃【力】14 【体】12 【速】9 【技】8 【魔】2┃┃■成長率■┃【統率】D 【武勇】B 【情報】B 【政治】B┃┃【力】B 【体】B 【速】D 【技】C 【魔】D┃┃■成長ポイント■┃【36点】┃┃■特性■┃◎マジカル☆シューター/中衛┃ 可愛さ目指してちょっとイタい。┃ 戦闘時、好きなステータスを+1。更に【技】か【魔】が上昇ステータスに選択された場合、┃ そのステータスの合計値を+2する。┃┃■能力■┃┃◎村人┃ このキャラクターは村から動く事が無い。村限定のイベントでしか行動できないキャラである。┃ ただし、村関係のイベントで彼らが動く場合、雇用コストはかからない。┃┃◎建築技術ver2.0(ギャル夫)┃ 軍人時代に要塞建築などを行っていた際、どこぞの妖精に協力して色々やっていた関係で、┃ その辺の技術が妙に高い。このキャラが村にいる場合、建築出来る建物が増える。┃ また、このキャラが建築に参加している場合、【統率】ではなく【政治】+5で建築力を計算する。┃┃◎商業技術(ギャル夫)┃ 元商人故に、流通・販売・その他商業に関するコツや要点を知っている。┃ 商業に関わる判定に参加した場合、成功率に+10%。┃┃◎ティロ・フィナーレ(マミ)┃ ボウガンに魔力を乗せてぶっ放す必殺技。┃ 同じボウガン使いだが、鈴仙とは違って魔術の素質もあったらしい。┃ 小規模戦闘時、勝率+5%。また、相手の任意ステータスを-3出来る。┃┃○振興力ver2.0┃ 振興・発展などに関わる判定に参加している場合、成功率に+20%。┃ また、村復興で建物を建てる場合の統率値の計算に+2。┃┃○流通捜査┃ アイテムの購入判定成功率に+15%。┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ,ィ / ///l. ,ィ .// 〃 / ///.ィ l l / ./ /// /// l l ./ ./'"´./ / /// ヽヽl l / / / / ̄ ̄"''===― _,,.-`―-、 l ./ // ̄ ̄`ヽ‐-..,,`ヽ. _// /l l l .// ヽ`ー..,,__,,..-''`ヽl ,.ィー=ニ二// //ミミl,.-‐ /彡 .l l \ `"''――''"/. / /// // /"""""" | | l \\―‐''"´ / ///\ /ィ / | | | l ヽ ヽ\\`==-. / ///l \ l.| _,,..-''"| | | | .|\\\`二ニ=- l / l /l _ l| "´ l/l/ l | l.\\\ l ./| .l | | 〈 でッ、 _,,..- /ノl ||. | /ヽ ゝゝ |/| l、| |.l ‐-`¨′ ‐ニ..,,__ l l l | / |. ヽl.,-、l l //|.l/. l |.l ( l ) l ///| |‐、 _l l ヽ,.-、 `¨l´ `¨¨二l´ ,.-、//// .レ\\,-' ヽ/ /-..,,_ヽ__ノ / /ノノ从 `ヽ ヽ l |`''-r 、‐/ / ,.-――-ヽ. ヘ l l l .l/ /_ , 、 } \ _,,..-'"\ l / ´ 'ヽ/ / ,'. / \ / l ヽ/ ´ / / // \/ l l/ \ / / / / 〈 / `''-..,,/ /. l / └-、/ /▼――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▼『ギャル夫』 元はスペースコブラとは遠く離れたメガザル王国西部、アーランドの街で商人をしていた青年。 後に領主の志に打たれ、軍に志願。個人の武勇としては突出したものは無いものの、商人時代に培った ノウハウを元に、主に補給・治安維持などの面で功を残す。 グラズヘイム戦後に、冒険者となり主君らのように誰かの“ヒーロー”になってみたいという願いから、 軍を辞して冒険者となり、スペースコブラに流れ着く。 その後、駆け出し冒険者の巴マミと組み、後に彼女の願いを叶えるため、ココニ村に逗留。 できない夫からの説得を受け、村の“ヒーロー”になるために村の復興に協力する事に。 極端に優れた能力こそ無いものの、交渉力やバランス感覚に優れた人物であり、自身のコネから村の発展の為の 材料や人材を引っ張ってくるなど、大いに村の発展に尽力した。 また、苦手分野が少ない人物でもあり、村では一種便利屋的に、各分野の手伝いなどをすることも出来た希少な人物。 平時は主に軍隊時代に培った建設技術を生かし、村の建物を建てる事に専念していた。 スペシネフ戦後は村に出来た冒険者の宿の店主に就任。 村の中心人物として、巴マミと共に長く村の成長を見続けた。▲――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▲ / / /\ \ \ \. / / // \ ヽ / | /, } | . , | 斗- / / ⌒¨ 八ト、 i ゚⌒Y⌒゚. ; | { {八 / / ノ\ | i 《 }{ 》. i !八 i{ 厶ァ ア勹心 \ | i 》 ( う )《. { \ィf厂ハ ) ハ㍉ | i 《 }{ 》 八 八 し/j し// } ′ . . . .ノ。__人__。 \ { ∨ソ Vこソ / . . . . /) j{ . . . \. ;个 ' / ./. . 厶ノ 厶-‐=ニ二} ノ人 厶イj/.,__/ 八 /二ニ≠‐- .,_ ` ' / / -──} ノ ‐- ⌒> <′/ . . . ,.. -‐===┘ (,_______ . . \ . _)ぅァ‐=≦ . . . . . . {__〈 . . / . ./------- .,.  ̄ ̄ `ヽ . . . . . . . .j⌒二ニ====tr==彡}∨ . /. . . . . . -‐=ニ二} /二ニ=‐-=辷ア\__,ノ¨\ ||l ノ. ∨____. . ./ ---{ ノ / ̄ ̄ ⌒V》 r──-ミ ||l 仆=ミ____/ . . . ./. ____} (,______ / V》 {///////\⌒Y'///////} \/ . /  ̄ ̄′ V》 ∨///////}//{///////ノ ∨ .(______ ノ二ニニ7 \ V》 }///////ノ__人//////{ V⌒ヽ . . . . `ヽ▼――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▼『巴マミ』 家族を失い、冒険者になるために一念発起して大禍津に出てきた元狩人。 その才能は非常に高く、冒険者を続けるうちに将来を嘱望される人材となるが……。 最終的に、好きな人と平和に暮らしたいという願いのため、冒険者を引退。 ココニ村にて、一介の村娘兼狩人に戻ることとなった。 自身を助けてくれたギャル夫とともに、主に彼に助力する形で村の発展に協力。 彼のメガザル西武への人材・農作物確保の旅にも同行し、周囲の混乱どこ吹く風で美味しい食事を満喫していた。 スペシネフとの戦いでは目立った活躍は無かったものの、村の復興後は冒険者の店の看板娘に就任。 店主となったギャル夫を支えることとなった。 大望は無いが、マイペースで善良な人物。 周囲の物事に大きく動かされる事はなく、平和で平穏な生活を望み、そしてそれを掴みとった。 その後はギャル夫と共に、村の発展を―――相変わらずのんびりと見守っていくこととなった。▲――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▲
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「嘘……でしょ……」 右代宮譲治に勝利した、巴マミは新たに現れた全裸の男と戦っていた。だが 「ククク……その程度か」 目の前の全裸の男は、譲治を倒したマミの猛攻を食らっても平気な顔で立っている。 「どうして……どうして倒れないのよ!」 「フン愚問だな……」 「この!時空蒼破斬!虎牙破斬!剛招来!襲爪千裂破!殺劇舞荒剣!虎牙破斬!剛招来!次元斬!」 剣に銃を使った連撃。だが全裸男は、それら全ての攻撃を何と股間から生えている羽でガードする。 そしてとうとう膝を付くマミ。 「一体貴方は何者なの……」 「冥土の土産に教えてやろう、俺の名は桜井智樹、またの名を全裸王!」 次の瞬間、マミは智樹の股間の羽によって殺された。 【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】死亡確認 「まさか……彼女を倒してしまうなんてね……全裸王……」 マミが死んだ直後現れたのは、右代宮譲治。 「フンまたザコが死にに来たか」 「随分な言われようだな……」 「俺の目的は夢のハーレム帝国を作りその王となる事、それを邪魔しないのなら見逃してやる」 構える譲治に余裕の表情で言う智樹。 ここはどう考えても邪魔しないと答えるのが正解だ。 どう転んでも、今の譲治では智樹に勝てない。しかし 「悪いけど、僕以外のモテ男は二人もいらないんでね」 彼は自分に嘘を着けるほど器用な人間ではない。 「成程……では貴様は俺の敵だな!」 こうして全裸王と魔王の激戦が始まった。 【一日目・9時45分/東京湾/天候・晴れ】 【桜井智樹@そらのおとしもの】 【状態】全裸王、全裸、ギャグパート 【装備】股間に羽 【道具】支給品一式 【思考】基本:夢のハーレム帝国を作り上げる 1:邪魔する者は殺す 2:譲治を殺す 【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】 【状態】魔王、落とし穴無効、大ダメージ、ずぶ濡れ 【装備】魔王装備 【道具】支給品一式 【思考】 基本:自分以外のモテ男を全て殺す 1:全裸王(智樹)を殺す 2:今より強くなる方法を探す 3:ミクトランも殺害対象に
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トップ|基礎知識|合体|攻略|悪魔・マシン|武器・魔法・特殊|アイテム|その他 レベルアップについて マシンを除く味方のユニットは、レベルアップするとボーナスポイントを5つのパラメーターのどれかに振り分けることができます。(1レベルアップごとに、人間ユニットは2ポイント、仲魔ユニットは5ポイント振り分けることができます) 1マス1ポイント分です。パラメーターは右側に数字でも表示されます。 注)パラメーター表示は最高20ポイントまでです。   21以上は数字で確認してください。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (GB-levelup01.png)操作方法 +ボタンの上下:   パラメーターの選択 +ボタンの左右:   パラメーターの増減 Aボタン:決定 パラメーターの説明 ちから:攻撃力に影響します。 まもり:防御力に影響します。 はやさ:敵の攻撃を回避する力や、行動できる順番に影響します。 まりょく:魔法の攻撃力・防御力に影響します。 うん:すべての行動に影響します。 【出典】 株式会社アトラス.「レベルアップについて」.『アナザ・バイブル 取扱説明書』.株式会社アトラス.1995,p.29 上へ
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オゾノ・コブラノスキーはおじいちゃんの臨終を見ました おじいちゃんは「無し」になりました 神父さんは空を指さしました 神父さんのさす指の先には膨大なサイズがありました サイズがあまり膨大なのでオゾノ・コブラノスキーは悲しくなりました ご臨終は目の事件でした ご臨終は言葉の事件でした ご→り→ん→じゅ→う サイズの終着点は「知らん」でした オゾノ・コブラノスキーは終着点から見た「知ってる」の「有り」でした オゾノ・コブラノスキーは大きく大きくおーーーーーーきく時計のネジをまきました するとオゾノ・コブラノスキーの目から銀の棒がにょきにょきとのびました オゾノ・コブラノスキーの口から銀の棒がにょきにょきとのびました あっという間におりになりました オゾノ・コブラノスキーはかごのカナリアになりました カナリア・コブラノスキーはかごから逃げる計画をたてました かごの構造を知るために展開図を描きました 展開図のかごから逃げるにはカナリア自身も展開図になる必要がありました 首尾よくカナリア・コブラノスキーはかごから逃げました ところがどっこいしてカナリア・コブラノスキーは死んでしまいました 飼い主とえさの展開図を描き忘れていたからでした そこで今度はかごとカナリアと飼い主とえさの展開図を描いて首尾よく逃げました ところがどっこいしてカナリア・コブラノスキーは死んでしまいました 何度も死ぬなんてこれは夢にちがいないと思いました ほんとうに首尾よく逃げるにはかごとカナリアと飼い主とえさと夢の展開図が必要でした カナリア・コブラノスキーは夢の展開図を描こうとしましたが不可能でした カナリア・コブラノスキー=オゾノ・コブラノスキー カナリア・コブラノスキーの空間≠夢を見ているオゾノ・コブラノスキーの空間 悪夢にうなされているオゾノ・コブラノスキーに死んだおじいちゃんから手紙がとどきました 書き出しはこうです 「日付:本日ただ今この瞬間 おじいちゃんへ オゾノ・コブラノスキーより」 空間がぶりゅむける瞬間wへ_√レvv ̄─ (平沢進 『カナリアの籠展開図ぐるりと回る360度期待は記憶気のどくだねオゾノコブラノスキーpart3(Canary)』より「BLUMCALE 3“カナリア”」) (Blumは独語で“花”の意) ∈∈∈∈∈∈∈∈∈∈ これをよむのは、この施設の研究者だろうか。 それとも首尾よく潜入に成功した、実験とやらの参加者か。 少なくともそれは、魔術の心得がある者だ。 誰だっていい。 ぼくの名は衛宮切嗣という。魔術師だ。 第四次聖杯戦争のマスターとしてよばれ、 そして「聖杯」を起動させる魔力を集めるため、この研究所にラチされた。 同じくラチされたのは、ぼくを含め5名。 ヒグマが反乱を始めたらしい。 できるかぎり抵抗してみるが、おそらくムダだ。 礼装もない。 武器は全てとられた。 今、言峰がおりをこわして逃げた。 時間がない。 ただヒトの生存を祈って、ぼくが知るかぎりの有用な情報を記す。 ①ここには万能の願望機である「聖杯」がある ②聖杯降臨の術式を施設全体に布いたのは「シバ ミユキ」という魔術師 この術は、地脈の大魔力(マナ)を、ぼくら魔術師を経由して施設と聖杯に供給するものだった。 「実験の安全を図る制限結界の術式」とは彼女の言だが。まず間違いなく建前だ。 敷設あとのぼくらは、いわば並列電源の一部となった。 ぼくらがいなくても術式は動き続けるだろう。 だが。 ――その術式には、時計塔のロード・エルメロイが気づいた欠陥がある。 ∈∈∈∈∈∈∈∈∈∈ 「……おい、聞こえているかね。アインツベルンの犬」 「……今までこの檻越しに、何回喋ってきたと思っているんだ」 くしゃくしゃになった小さな手帳にペンを走らせる手を止めず、男は聞こえてくる声に返答した。 男が背を預けるのは、薄暗い保護室のコンクリート造りの壁だ。 その隣の部屋から、正面廊下に面したドアの切り欠き越しに、嘲りを含んだ囁きが届いてくる。 「フン、魔術師の風上にも置けんヤツが生意気な口を利きおって」 「……だが、役にはたったろう?」 「……ああ、この私に、ロード・エルメロイとしての矜持を取り戻させてくれる役にはな」 隣から、キィキィと車椅子の車輪を軋ませる音が聞こえた。 その声は嘲りの中にも微かに、感謝の念を含んでいるようだった。 「……あのバカ弟子と教会の男は逃げてしまったようだが、貴様は行かないで良かったのか? 奴らは気づかなかったようだが、ヒグマごとき、もはや私一人で十分誅伐を下せるぞ。貴様のおかげでな。 後で奴らの驚く顔を見るのが楽しみだ」 「はは……、それはすごい自信だ……。悪あがき出来れば、言峰とベルベットが逃げる時間稼ぎにはなるかもな」 嘲りを返すのは、今度は男の方だった。 彼の握る手帳には、既に自分の死を予期した文面が記されている。 隣の声は、その言葉に、怪訝な色を含んで言葉を投げてくる。 「……何だその口振りは? 貴様も、魔術の心得ある身だろうが。 不条理の結果とは言え、私をこうして再起不能寸前にまで追い込み、そして再起させた貴様が……。 ――我々が『死ぬ』と思っているのか!?」 隣の保護室の声は、ガラス障子を叩いたようだった。 その先には、ちょうど男の部屋とは斜向かいの位置に、前後不覚のままげろげろとバケツに吐瀉物を垂れ流している青年がいた。 「――死ぬとすれば、あの自衛もできぬ、間桐の小倅だけだろう! 何を言っている!」 「……いや、彼は殺されないよ。僕らとは違い、彼はまだ魔術師として機能している、『参加者』のマスターだからな」 「なにッ……」 隣の声は、暫し逡巡していた。 男の発言は、まるで自身が『魔術師として機能していない』と言っているかのようだった。 そしてまた、まるでヒグマが『襲う対象を区別する』と言っているかのようでもある。 隣の人物は再び声を落とし、男に向けて、低く囁きかける。 「……私との戦いの後、何か、あったのか」 「実を言うとだね、ケイネス・エルメロイ。僕は、君の死を確認しているんだ。そして、言峰綺礼もこの手で殺している」 「――なんだと!?」 「……聖杯も、間近で見たさ。それから溢れる、汚濁にまみれた泥もかぶった――」 男――、衛宮切嗣は、隣の部屋にいる死んだはずの人物に、そう呟いていた。 衛宮切嗣の体は既に、魔術師としてはおろか、人間としての生命の存在を揺らがせている。 その黒髪は色褪せて乱れ、やつれた顔には、『魔術師殺し』と呼ばれていた当時の精彩は全くない。 汚染された聖杯の泥に8割がた魔術回路を破壊されていた彼は、既にただ衰弱死を待つだけの身と化していた。 そして更に彼は、拉致され、幽閉されていたこの環境下で、自らその寿命を削るような行いを重ねてきている。 田所恵が甲斐甲斐しく世話していた食事も、その呪いにも似た衰えを回復させることはできなかった。 保護室のドアを破り、ウェイバー・ベルベットを救出した言峰綺礼は、切嗣のこの状態を見て、連れていくことを断念していたのである。 そしてまた、切嗣の礼装を以って全身の魔術回路と神経を悉く破壊されている状態のケイネスも、言峰は連れては行かなかった。 「……僕らは、恐らく全員、違う時間軸から連れて来られている。言峰は、僕との戦闘前。君は、キャスター討伐直後の時間からだ。 そして僕は……、第四次聖杯戦争が終わって、五年も経った後から……」 衛宮切嗣の送る日々は、他のマスターたちのそのちぐはぐな状態を知った瞬間から、すべて最終地点からの回想となった。 この時間軸の矛盾に気付いたのは、聖杯戦争の全てと、その後に起きた惨劇を経験している彼だけだった。 彼にとっては現在も未来も回想の過去であった。 彼の見る物聞く物はすべて回想になった。 回想はのこりの道のりの計量だった。 隣の魔術師――、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの歯噛みが聞こえる。 アーチボルト家9代目当主であり、時計塔筆頭の魔術教師を務める彼は、その不可解な現象を引き起こす原因を、一瞬で察知していた。 「並行世界への干渉――、『第二魔法』か……!」 「恐らくね……」 「だとしても……! ヒグマが『魔法』を使うとでもいうのか!? 馬鹿らしい。 あの不遜にも自分を『魔法使い』だと言って憚らなかった小娘の魔術結界も、このロード・エルメロイから見れば穴だらけだったというのに……。 ここで作られた『穴持たず』とかいう笑えるネーミングのケダモノなど、たかが知れていよう!」 「だがそのケダモノに……、既に人間は出し抜かれているんだぜ……?」 遠くに聞こえていた獣の唸り声が、次第に近くなってきていた。 時折、研究所職員のものと思われる悲鳴。銃声。そして断末魔。 切嗣は、もう介助なしではほとんど動けなくなってきているその体を億劫に起こし、書き終わった手帳を閉じる。 ウレタンの床に置かれたペンは、食事に出た手羽先の骨を割ったもの。 そしてインクは、彼自身の血だった。 「……脱出のための青写真は、何度も描いてみた……。引き出した情報で、この研究所の構造も描いた。 製作されたヒグマたちとの戦闘も、『君の導いてくれた対抗手段』込みでシュミレーションしてみた。 だがやはり……、僕らの脱出は不可能だろう」 「……何故だ――!?」 「どう考えても……、研究員に全く把握されていないヒグマが、僕らが誘拐された当初から4体以上いたんだ。 この、科学的にも魔術的にも、完璧と思われた防衛手段を講じている研究所でね」 衛宮切嗣の呟きに、隣の部屋のケイネスは、完全に押し黙っていた。 ――まるで、あの魔術工房が陥落した時のようだ。 と、両者は共にそう思考する。 ケイネス・エルメロイは、第四次聖杯戦争の折、ホテルの1フロアを丸々借り切って、完璧な防衛機構を有した魔術工房を敷設していた。 しかしそれを衛宮切嗣は、ホテルのビルごと爆破するという、魔術師には予想もつかぬ荒業で完全に破壊してのけた。 50体以上製作されていたヒグマたちの情報を、切嗣は、日々やってくる田所恵や布束砥信から、少しずつ聞き出している。 『穴持たず○○』という通し番号で呼ばれる彼らの情報を整理していくと、混沌とした情報群の中にどうしても、明らかにデータが欠落しているヒグマが出てくる。 製作途中だった二期ヒグマの『脱走事件』なるものが発生し、その時に、データが混乱し散逸したという話は聞いた。 しかしその後も、時間をかけて日々のサーベイランスを洗うと、不自然なほど曖昧で、情報の少ないヒグマの存在が浮き彫りになってくる。 実測値がどうこうという話ではない。そんな情報は田所は知らなかったし、布束は固く守秘していた。 今日はどこそこの何番の食欲が旺盛だった。 固有能力に成長の兆しが見えた。 似たようなヒグマはこんな仕草で区別できる。 蜂蜜壺に名前をつけたヤツがいる。 あそこのヒグマは綺麗好きで檻の整理が上手い――。 そんな日々の他愛もない会話を集約して初めて、『まったく彼女たちの印象に残っていない』ヒグマがかなりの頭数存在していることが、把握できたのだ。 ヒグマの中には、人語を解する者もいるという。 その上、『シバ ミユキ』という魔術師は研究所の職員であり、かつ『二期ヒグマ』の一員としてもその名を連ねている。 この研究所の魔術的管理を一手に引き受ける彼女は、ただでさえ島内の術式の真相をその他職員に明かしていなかったきらいがある。 既にヒグマたちは、人間の予想もつかぬ能力や計画を有しているのではないか――。 衛宮切嗣はその予感を、ほとんど確実なものとして考えていた。 「……キリツグ。そんな悲観的にならないで下さい」 「……そうですマスター。我々サーヴァントが、必ずやお守りします」 押し黙る男たちの前にふと、そんな凛とした声が響く。 衛宮切嗣の前にいつの間にか、青と銀の甲冑を身に纏った凛々しい女騎士が現れていた。 そしてケイネスの元にも、毅然とした青年の声が響いている。 ――セイバーと、ランサー。 第四次聖杯戦争における彼らのサーヴァントであり、そして、既に令呪とマスター権を失って久しい彼らの元には、現れるはずのない者たちであった。 更にここは、聖杯へ送る魔力の経路を一部流用し、魔術的に入退出不可能な結界が張られた保護室の中である。 しかしケイネスと切嗣は、彼らの出現を奇異に思う様子など微塵もない。 ――これこそ、ロード・エルメロイが発見・解析し、魔術師殺しが拡張・利用した術式の欠陥。 「フン、ようやくお出ましか。そんな遅参でこのロード・エルメロイのサーヴァントが務まると思っているのか」 「失礼を致しました。ですが熊ごとき、『小なる激情(ベガ・ルタ)』無しでも見事討ち果たしてご覧に入れましょう」 「当たり前だランサー。――やれ」 「はっ」 ケイネス・エルメロイの保護室の戸が、破られる音がした。 拳法家でもある言峰や、今のランサーが行なったように、物理的な力でドアを破壊することは十分可能だった。 切嗣に向けて、隣からケイネスの嘲笑が届く。 「どうだねアインツベルンの犬。他のマスター連中に隠れ、私と貴様とで夜な夜な練り上げてきたこの対抗手段だぞ。 再び我らと合いまみえた高ランクの英霊2体。これで脱出できんはずがあるまい」 「ランサーのマスターが仰る通りですキリツグ。弱気にならないで。 あなたが何故あの時私に聖杯を破壊させたのか、その理由も、わかりましたから」 「セイバーのマスター。私と我が主の仲を再び結び付けて下さり、感謝の至りです。あなたの思い、無駄には致しません」 保護室の戸を、セイバーは切嗣に微笑みを向けたまま『押し開ける』。 結界の仕組み上、内側からは開かなくなっているはずのドアを。だ。 その向こうの廊下から、緑色の軽装備に身を包んだ優男、ランサーも笑いかている。 衛宮切嗣はその笑顔たちに目をやることなく、ただ静かに、床の一部を剥がして、掴んでいた自らの手帳を隠した。 結界の張られているはずの、硬質ウレタン塗床の、保護室の床に――、である。 セイバーはそんな自らのマスターに慈しむような視線を投げ、そして廊下の外へと出ていく。 「……帰りましょうマスター。アイリスフィールがいなくとも、あなたにはイリヤスフィールが。 そして、息子さんも――。あなたを待っているはずですから」 それだけ残して、徐々に近づいてくる唸り声の方へと、セイバーの姿は歩み去っていた。 その姿を見届けた後、衛宮切嗣は背をもたせ掛けていた壁から、ずるずると横に倒れる。 振り絞っていた気力は、とうに底を突いていた。 もう呼吸も、心拍も、自分でもほとんど聞き取れない程に微弱だ。 張り詰めさせていた交感神経が切れた彼にはもう、死という終着点が待っているだけだった。 「なっ……!? グラニア!? フィン!? お、俺を、許してくれるのか――!?」 朦朧とする切嗣の意識にその時響いてきたのは、ランサーの歓喜に満ちた叫び声だった。 そして続けざまに、人間が地に倒れる重い音。 「ソ、ソラウか……! こんなところまで、わ、私を、迎えに来てくれたのか!! あ、ありがとう……、ありがとう……! やはり私たちの愛は、本物だった……!!」 そして、勢いよく軋む車輪の音と、ケイネス・エルメロイの快哉。 華やいだ彼の声は廊下をしばらく進み、そして絞られるようにフェードアウトする。 その後に聞こえたのは、何度も空を切る、セイバーの剣捌きが成す轟音。 「ひっ――!! 蛮族がッ――!! ヒグマの中から、蛮族がぁっ――!!」 悲痛な声を上げるサーヴァントの言葉に切嗣は、霞む目を開く。 彼の部屋の前の廊下を、セイバーはじりじりと後退しながら、何者かに応戦していた。 その何者かは――。 存在していなかった。 切嗣の視界で、セイバーは、何もない空間に剣戟を受け止め、何もない空間に向けてそのエクスカリバーを突き出して戦っている。 彼女はただ一人で、存在しない敵に追い詰められていた。 「た、助けて――! 誰か、助けてくれ――!!」 そして彼女は遂に、居もしない誰かに、仰向けに押し倒されていた。 しかしその直後、彼女の表情は喜びに変わる。 「あ、あ――! ランスロット!! あなたなのだな、サー・ランスロット!! やはりあなたは、忠節の騎士だ……! 私の、最高の、騎士だ……!!」 何者かに助けられたようにセイバーは身を起こし、ここには居ないはずのバーサーカーの真名を叫んでいた。 彼女は感涙と共に空中に手を差し伸べ――。 そして、その眼にこの上ない感激を湛えたまま、地面に倒れていた。 彼女の姿は次第に、空中に溶けるようにして消えてゆく。 ――死んでいた。 一連の様子を瞠目して見つめていた切嗣の元に、ヒタヒタと歩み寄ってくる足音がある。 「――ここにいたのね。もう、死んでしまったのかと思ったわ、切嗣……」 その足音の主の姿を見て、いよいよ切嗣の驚きは極点に達した。 無意識のうちに、彼は乾いた笑いを漏らしていた。 「ハハ……。ハハハ……」 これは夢にちがいない。と、切嗣はその時思った。 そしてやっぱり、僕らがここから逃げるなんて不可能だったんだ。とも、切嗣はその時思った。 瀕死の彼の目に映ったのは、雪のように白い長髪をなびかせ、女神のように微笑む女性の姿。 彼の妻であり、そして聖杯の器となって死亡したはずの、アイリスフィール・フォン・アインツベルンの姿であった。 檻の構造を知るために展開図を描いた。 展開図の檻から逃げるには切嗣自身も展開図になる必要があった。 切嗣は『檻』と『自分』と『研究所』と『ヒグマ』の展開図を手帳に描いた。 しかし本当に首尾よく逃げるには、『檻』と『自分』と『研究所』と『ヒグマ』と『夢』の展開図が必要だった。 切嗣は夢の展開図を描こうとしたが不可能だった。 「……切嗣。今まで良く頑張ったわね……。もう、大丈夫よ……」 「――来るんじゃない。ニセモノのアイリに抱かれたところで、何の慰めにもならない」 微笑みを湛えて室内に歩み寄ってくる妻の夢に対し、瀕死とは思えぬ張りのある声で、彼は言い放っていた。 床に倒れたまま爛々とした眼光を浴びせてくる切嗣に、アイリスフィールはびくりと身を竦ませる。 切嗣は、断固とした意志で、彼女の接近を拒んでいた。 ――こいつは、幻覚を使う魔術師なのだ。しかも、セイバーやランサーの対魔力を突破するほどに、強力な。 ――絶対に。絶対に、僕の背後を、覗かせては、ならない……。 既に彼女の正体を察知しているらしい彼に向け、それでもその映像はおずおずと声を絞る。 「……これは、あなたが望んでいる夢でもあるのよ? 私が、痛みもなく、あなたを安らかに眠らせてあげるから……」 「……行けよ。介錯なんていらない。どうせ僕はすぐに死ぬ。大人しくヒグマに喰われるさ」 「そう……。わかったわ」 アイリスフィールは静かに彼の元を離れ、壊れた扉から再び廊下へと歩んでいく。 彼女の姿は最後に切嗣へと振り向き、慈愛を湛えて彼に笑いかけていた。 「安心して、切嗣……。あなたの正義は、私たちが、きっちり受け継ぐわ……」 「そう、か……。あぁ……、安心した……」 彼女の映像が立ち去ったことを確認した後、力尽きた切嗣の眼は、閉じられた。 その耳にはすぐに、何頭ものヒグマの唸り声が戻ってくる。 廊下の向こうから、人間の肉に齧りつく音、車椅子を蹴飛ばす音。 そして、獰猛な獣が自分の保護室になだれ込んでくる音。 自分の首が折れる音。 もう、痛みは無かった。 ただ、安堵だけがあった。 僕の正義は確かに受け継がれる。 僕の死という出来事に隠されて。 悪夢にうなされる誰かの元に、死んだ僕からの手紙が、きっと届く――。 僕の描けなかった最後の展開図を、描ける者が、きっと来る――。 ∈∈∈∈∈∈∈∈∈∈ 巴マミは交通事故でりょうしんと共に瀕死になりました。 瀕死の巴マミは魔法少女になって自分だけ生き返る契約をしました。 生き続けるために魔女をすくいました。 りょうしんの死から逃げるには使い魔もすくう必要がありました。 首尾よく巴マミは死から逃げました。 ところがどっこいして巴マミは死んでしまいました。 人間とヒグマの関係をすくい忘れていたからでした。 そこで今度は魔女と使い魔と人間とヒグマをすくって首尾よく逃げました。 ところがどっこいして巴マミは死んでしまいました。 ソウルジェムが魔女を生むならみんな死ぬしかないじゃないと思いました。 ほんとうに首尾よく逃げるには『魔女』と『使い魔』と『人間』と『ヒグマ』と『りょうしん』をすくうことが必要でした。 巴マミは死んだ『りょうしん』をすくおうとしましたが不可能でした。 ∈∈∈∈∈∈∈∈∈∈ 巴マミは、切々と語った。 纏流子に突かれて切り出された彼女の言葉は、次第に溢れ、堤防を破るように流れ出していた。 巴マミが魔法少女となった理由。 主義主張のすれ違い。 強迫観念のように遂行してきた魔法少女の務め。 破綻した師弟関係。 この島で体験したヒグマとの関係。 そして自分と、自分の存在理由の、死。 彼女の良心を保ってきた、『正義の味方』としての自分の姿は、暁美ほむらから魔法少女の真実を伝え聞いた時、根底から否定されていた。 その墓を掘り返すようにして、巴マミは自らを語った。 墓標に建っていた『正義の味方』の像は、粉々になっていた。 「……私の倒してきた魔女はみんな、絶望した後の魔法少女自身だった。 仲間を救おうとして、人々を救おうとして。正義だと思ってやってきた私の行為は、むしろ、裁かれるべき、罪だったのよ……」 暁美ほむらの盾の中。 距離感のない闇の中に浮いているかのようなその空間で、彼女の紡ぐ自分の歴史は、ほどけた糸玉のようにその場にうず高く積もるだけだった。 流子を始め、球磨川禊、碇シンジ、ジャン・キルシュタイン、球磨は、彼女の語る言葉を静かに聞いていた。 彼女が思い悩んでいた理由。 魔女とも、ヒグマとも、もう自分は戦えない――。 そう語る理由は、確かにその場の全員が理解していた。 そして同時に、そう悩む理由は彼女に存在しない――。とも、その場の全員が考えていた。 片太刀バサミを携えてどっかりと腰を下ろす纏流子に向けて、巴マミは大粒の涙を零しながら顔を振りあげる。 「……滑稽じゃない? こんなドキュメンタリー。はたから見てたキュゥべぇには、さぞ面白い駒に映ってたんでしょうね私は……」 「……あたしに言えることはだな。人は人、お前はお前。お前の所業は誰にも咎められるようなことじゃねぇってことだよ」 周囲の者から、流子の言葉に頷きが重なる。 眼を見開いていたマミは、その返答に瞑目し、僅かに体を震わせた。 「……ふふ、結局そうなのね。なんだか、興奮して話し過ぎてしまったけれど。付き合わせちゃってごめんなさいね」 マミは静かに笑いながらその身を引く。 解ってくれたのか。と、流子は微かにその口元を緩ませる。 ほとんど半狂乱のように思いの丈を溢れさせていたのが嘘のように、巴マミの表情は、纏流子の一言で柔らかな笑顔になっている。 巴マミはゆっくりと立ち上がり、顔を伏せたまま、魔法少女衣装の帽子と髪飾りを取った。 そして手を離すと、それらはひらひらと彼女の脚元の漆黒に落ちる。 マミは笑いながら、その右脚を、振り上げていた。 「誰にも裁けない罪なら――、自分で死ぬしかないのよね――!!」 「――!?」 その場のほぼ全員が驚愕した。 彼女の踵が落ちる先には、髪飾り――、彼女のソウルジェムがあった。 自殺だ――。 と、流子やジャン、シンジや球磨川が気づいた時には既に遅かった。 「――沈んでは、いかんクマ」 「なっ……」 マミの鉄槌が自分の魂に下される寸前、軽巡洋艦の航路が床面を削るように彼女の足元へ斬り込む。 艤装から蒸気を吹きながら、マミの踵落としよりも一瞬早く、艦娘の球磨がソウルジェムを蹴り飛ばしていた。 水面蹴りに煽られて宙に舞い飛んだその羽飾りと帽子を、球磨はすぐさまキャッチして、自分の頭に被せてしまう。 「く、球磨さん……!? 返して、返してよぉ!! 私はもう、生きていられないのよぉ!!」 「おい! 自棄になるんじゃねぇよマミ!! お前が襲われてる奴らを助けて、守ってきたのは、確かなんだろうが!!」 「あ、あなたには、解らないわよ、私の気持ちなんて――!!」 自分のソウルジェムを奪った球磨に即座に追いすがろうとしたマミの体は、背後からすぐさま流子に羽交い締めにされる。 星空凛の看護に当たっている球磨川を除いた、ジャンとシンジも、興奮するマミをなだめようと慌てて駆け寄っていた。 彼女たちから数歩引いて佇む球磨の姿を、巴マミはもがきながら睨みつけていた。 「……球磨には、マミちゃんの気持ちが、よーく、解るクマ」 「なんですって……!?」 「今のマミちゃんはまるで、初めての出撃から帰ってきた後の、駆逐艦連中みたいだクマ」 魔法少女としての自分のアイデンティティにすがって来た自分の気持ちは、他の者には決してわからない――。 そう思っていた巴マミに返ってきたのは、意外過ぎる球磨の言葉だった。 余りにも落ち着いた、母親のような微笑みを湛えている球磨に向けて、マミ以外の人員から口々に疑問が噴出する。 『そう言えば、球磨さん。僕たちはあなたのことも良く知りませんでしたね』 「……お前もどっかで、トモエのような経験をしたのか!? しかもまるで、軍全体が関与してるみたいな言い方……」 「そもそもお前の、その不思議な重装備はあたしも気になってたんだ。まるで船みたいな……」 「エヴァみたいな技術が使われているのかと思っていましたが……」 球磨川、ジャン、流子、シンジから投げられた言葉に、球磨はその小さな胸を張って仁王立ちする。 アンバランスに巨大な背部艤装が、その長い茶髪の裏でギシギシと軋んだ。 「何を隠そう、球磨は『艦娘』。大日本帝国海軍所属の軽巡洋艦・球磨の生まれ変わりだクマ! 前世から数えれば堂々の卒寿越えクマ。お年寄りは敬うクマー」 「!?」 「ほむらの話も合わせて聞けば、何のことはないクマ。魔法少女も艦娘も、その根本は大差なかったクマ」 球磨が語るには、艦娘は、第二次世界対戦期の日本や独逸の軍艦の魂を有した少女なのだという。 魔法少女の概念に落としてみれば、軍艦一隻一隻のソウルジェムを、少女の肉体という外付けハードウェアで稼働させている状態になる。 肉体を再び『建造』さえすれば、また自分自身を取り戻すことができる。というのも、魔法少女と同様の点だった。 「そして……、球磨たち艦娘が日夜戦っている相手、『深海棲艦』は、轟沈した艦娘の成れの果てだクマ」 「……本当なの!?」 「確かめたヤツがいるわけじゃないクマ。でもそれは、新造の艦娘へ訓練初日に伝えられることクマ。 『敵は過去に沈んでいった艦の怨念が実体化したもの』、だと」 「……」 巴マミを始め、一斉に言葉を飲んでしまう皆へ向け、球磨は朗らかにウィンクをした。 「ま、襲ってくる敵は確かに『おんねん』ってことクマ!!」 球磨の渾身のギャグは、その空間全体に広がって、消えた。 鎮座する巨大な砂時計以外は広大な闇が微かな星屑の間を埋めているかのような暁美ほむらの盾の中は、暫く、その砂時計の砂が落ちる音しか聞こえなかった。 凍り付いたかのような人々の反応に、球磨はあてが外れたように頭を掻く。 「あれ……。案外ウケんクマ。伊勢の受け売りはやめた方が良いみたいクマ……」 とにかく。 と、前置きをして、球磨は何事もなかったかのように話を続けた。 「魔女だって、かつて共に戦った魔法少女の僚艦だクマ? なら、マミが今までやってきた行為には、何の非の打ちどころもないクマ。 みんなのため、彼女たちを救ってきた、賞賛されるべき行為だクマ」 「――えぇ!?」 そうして発された球磨の言葉は、巴マミには理解不能だった。 自分が今まで悩み、吐露してきた心とは、真逆の答えがそこに提示されていたのだから。 ――魔女を、救う。 そんな行為をしたことは、私にとって一度も無かった。 救ったつもりでいたのは、魔女に襲われていた人間。 そのために、魔女も、魔女の使い魔も、掬い洩らし無くこの手で打ち倒してきた。 それはみな、両親をむざむざ死なせてしまったという罪悪感からの逃走。 一人でも多くの人々を助ければ、それだけ自分の良心は生きながらえた。 だが、魔法少女の仕組みがわかってしまえば、使い魔まで刈り取ってきた自分の行為は、魔法少女全体にとって、明らかに罪だ。 将来的にグリーフシードを孕んだはずの使い魔まで倒してしまえば、それで生き延びられたはずの魔法少女の未来を、私は刈り取ってしまっていたことになるからだ。 そうして魔女になった魔法少女を倒して、私は正義の味方を気取って来た。 でもその敵は、かつて共に戦った魔法少女の仲間たち。 私がしてきたのは、仲間を殺す人殺し。 これが罪じゃなくてなんだというのか。 倒すのも罪。 倒さないのも罪。 それなら。 魔女になって絶望を産む前に、みんな死ぬしかないじゃない――! 「なんで……! なんであなたたち艦娘は、そんな事実を知って、平然と戦いを続けられるの!? 敵は、仲間だったのよ!? それなら、絶望する前に。そんな怪物になって人を襲う前に、死ぬべきじゃない!!」 「そうして死ぬことこそ、真の絶望クマ!! そうした考えこそが、魔女と深海棲艦を産むクマ!! かつての仲間だったからこそ、その絶望を晴らし、成仏させてやることが情けだと、なぜ思えんクマ!?」 「――!!」 驚くマミの前に、球磨はその頭からマミの帽子を取って、そのオレンジ色のソウルジェムを見せる。 その宝玉の中に渦巻く色彩は、『ピースガーディアン』との戦いの前よりも、さらにその明度を落としてきているようだった。 「……マミちゃんがここで死ねば、マミちゃん本人は魔女にならずに済むのかも知れんクマ。 でも、それまでに積もったマミちゃんの絶望は? マミちゃんの周りの仲間たちの心は? どうなるクマ? その負の心は、きっと魔女の怨念を深めるだけクマ。マミちゃんの後悔と絶望は、深い意識の底で船幽霊の仲間入りを果たすだけクマ」 船幽霊は、哀しい亡霊だ。 水難事故で他界した人の成れの果ては、自分たちの仲間に人々を引き込もうと、手招きをする。 汲めども尽きぬその妄念は、渇望にも似て留まるところを知らない。 彼らに情を移し、その手に柄杓を握らせてやることは、一見、彼らの望みを叶えてやることのように思えるだろう。 しかし、その柄杓で水を汲み、また新たな船を沈没させても、彼らの絶望は決して晴れない。 その暗黒の淵に、新たな船幽霊の手が一本増えるだけだ。 何万の、声なき亡霊の呼ぶ声。 怒号の、深海棲艦の撃つ砲雷。 異形の、魔女の引き込む結界。 それは沈んできた、絶望してきた、少女たちの声だ。 仲間を求め、消えぬことのない寂しさに身を捩っている彼女たちの嗚咽だ。 「……真に彼女たちのことを思うのなら、寂寥という絶望に苦しみ続けている彼女たちを解放してやることしか、無いクマ。 彼女たちの無念を背負い、雷撃処分することこそ、真の恩情クマ。それ以外に、彼女たちに寄り添える手段はない。 だから球磨たちは、彼女たちをも救うために、戦ってきたんだクマ」 割り切れ。 と、球磨はとどのつまり、巴マミにそう語り掛けているのだった。 死んだ者は、魔女になった者は、戻ってこない。 少なくとも、自分たちの知る限りにおいて、そんな例は存在しない。 ヒグマとも、人間とも、違うものなのだ。と。 「……そうなの。……そうだったの」 巴マミは、呆然とそう呟いていた。 その次に彼女に訪れたのは、涙と鼻水だった。 「じゃあ……、そんなことで悩んでた私は、正義の味方失格よね……。本当に、情けない……」 「!?」 鼻水を啜り上げながら、巴マミは自分のりょうしんが死んだ墓穴を掘り返していた。 掘れば掘るほど、弛んだ地盤からは水が溢れてくるだけだった。 彼女が本当に必要だったのは、その仮初のりょうしんを保っていた自分の姿だった。 もしくは、本当に死んでしまったりょうしんをすくうことだった。 りょうしんの墓標に建てた凛々しい姿は、粉々に打ち壊されていた。 りょうしんの埋まった場所は、もうわからなくなっていた。 球磨が修繕してくれたのは、その像の土台だけだった。 水の漏る穴を塞ぐだけなら、それで十分だったのかもしれない。 ――しかしそれなら。 そんなことにも思い至らず、臆面もなく騒ぎ立てた私はなんだ。 そんなことで思い悩んで、凛さんを守れなかった私はなんだ。 そんなことも察しきれず、自分の命のみを願った私はなんだ――。 巴マミは、りょうしんをすくうまで、墓穴を掘るしかなかった。 りょうしんの墓穴から溢れる水に流されて、砕かれたマミの姿はどんどん散逸していく。 修繕したマミの良心の一部を掴んだまま、球磨はその水流の中で困惑するしかなかった。 「恥ずかしがる必要はねぇ。気に病む必要もねぇ。当然のことなんだからよ」 「……え?」 流されてゆく像の肩を、その時、しっかりと掴んだ者がいる。 ジャン・キルシュタインが巴マミに力強く頷きかけていた。 「女の子はな――、守られていいんだ!! いくら強くても完璧な奴なんていねぇ!!」 ジャンは、向こうで倒れている星空凛へ視線を移しつつ、力説する。 「その点、リンは男らしかった。女が無理して男らしくしないでもいい。 アケミだってそうだ。いつでも頼って、いいんだぜ――!!」 凛の隣にいる球磨川禊が、眼の端を引き攣らせて半笑いになっている。 巴マミとしても、ジャンが何を言っているのか、一瞬よくわからなかったし、よく考えてもよくわからなかった。 ただ伝わる、その熱意のような何かに思考が奪われて、涙が止まる。 水流の中に大量の土嚢が投下されて無理矢理堰き止められたような、そんな感じだった。 「……あのな。そんなことで誰もお前を蔑んだりしねぇし、情けなくもねぇよ。あたしたちはお前が必要なんだから」 「マミちゃん。前線に立つだけが艦船の務めじゃないクマ。輸送や護衛や休息も必要な仕事。立派な正義クマ」 「……というか、今までそんな辛い目にあってもめげずに一人頑張って来たというだけで憧れちゃいますよ。 その憧れの人が、自分たちなんかに色々と吐露してくれたっていうのは、むしろ嬉しいです」 ジャンの言葉を皮切りに、次々と水流を漕いで人が集う。 流子がマミの両腕を見つけていた。 球磨は墓穴からマミを引っ張り上げ、代わりにその涙の水源へ像の土台を投げ込んだ。 散り散りになっていた彼女の胴部は、その下流で全てシンジが掬い上げていた。 その奥で微笑みながら事態を見守っていた球磨川へ、ジャンが歩み寄ってその脇を小突く。 『え、いや、ダメでしょこんなシリアスな場面で僕が言葉かけちゃったら』 「知らねーよ、とにかく何か思ってるなら言ってやれって」 何やら軽く揉み合った末に、パンツ一丁の球磨川禊は、出来る限り真面目な顔を作って、マミに声をかけていた。 『うん……。正義……。正義(ジャスティス)と言えばね。こうして泣いているマミちゃんの姿こそ正義なんだよ』 「……へ?」 『いや、だからね。何を言いたいかと言うと。今のマミちゃんは、すごく。すっごく、カワイイ。ってこと』 盾の中は再び、砂時計の音しか聞こえない静寂に包まれた。 数秒間、真顔を保っていた球磨川は、暫くして、硬直した周囲の人員の様子を見回し始める。 マミの顔は、それにつれて次第に赤みを増していった。 『あ、あのさ。みんなギャップ萌えって知ってる? こう優等生がふと自分の弱い面を曝け出したその瞬間。 そういう時こそむしろ人気が高まるんだよ。みんなが言ってたことだってそうだろ? ねぇ黙らないでよ』 「……もういい。もういいんだ。口を閉じろクマガワ」 『え、嘘。そこまで本気に聞こえたわけ!? いやいやいやマミちゃん。 確かに僕本気で言ったけど、そういう意味の本気でも……と、言い切れるわけでもないけど。とにかくそうじゃないからね!?』 「返事は後で二人っきりでもらえ。な?」 『うわー、なかったことにしたい。この空気感』 ジャンに肩を叩かれた球磨川には、周囲からの憐れむような視線が向けられていた。 球磨は一つ咳払いをして、真っ赤になった顔で視線を泳がせているマミへ向き直る。 「……聞いたクマ? マミちゃんは皆に必要とされてるクマ。特に、純朴な男子の片想いを無下にして散るわけにいかんことは、わかるクマ?」 「そ、そうよね……。ま、まさか球磨川さんが、私のことをそんな風に思っていたなんて……」 『もしもーし……。話が膨れ上がってませんかねー……』 「……それにつけて。球磨はお前にちょっと物申すことがあるクマ」 球磨は直後、巴マミの帽子を被ったまま、つかつかと球磨川の元に歩み寄っていた。 彼女は先程の球磨川の発言から、マミの心を取り戻す、ダメ押しの一手を見出していた。 『僕は重い話を軽く笑い飛ばすのが大好きなキャラだ』と、彼自身が評するその性質こそ、今のマミに必要なものだった。 『これ以上なんだって言うんだい僕に……』 辟易とした表情を見せる彼に向け、球磨はビシッとその指を突き付ける。 「球磨川というからには、川下りの一つくらいしたことがあるクマ!?」 『ん!?』 突如彼女からは、その他の人物にはさっぱり理解不能な詰問が飛び出していた。 『いや……、ないけど。何だっていうの一体……?』 「それなら球磨川5大瀬は? 流域の温泉地は? 言えるクマ!?」 『いや知らないよ!!』 「一つくらい知っとけクマ!!」 先程の母親のような表情とは一変して、小学生のように地団太を踏んで球磨は荒れた。 その豹変振りは、周囲の者の理解を逸していた。 球磨はそして思いつめたように唇を噛み、その眉を怒らせて叫ぶ。 「――お前に、『球磨川』を名乗る資格はないクマ!! あと球磨とも被ってるクマ!! 今すぐその名前を捨て去るクマ!!」 『何だよそれ!? 勝手に僕の名前の4分の3を持っていかないでくれよ!!』 「球磨なんか、球磨川をとったら名前の2分の3が消えて虚無を超越するクマ!! これでも恩情をかけてやってるクマ!!」 『意味わかんないんだよなぁ!!』 「……もしお前が本当に球磨川の化身なら……。球磨は今ここで自沈して、お前にこの名を明け渡そうと思っていたクマ……」 『そんなアイデンティティの根幹に関わる問題だったの!?』 「それなのに……。この有様は酷過ぎるクマ!! マミちゃんとくっつくのは、自分の名を取り戻してからにするクマね!!」 『だぁから違うってそこは!!』 ――何かの演技なの? と、巴マミは彼女の取り乱した姿を見ながら思う。 何かしら思う所が球磨にあったのは確かだろう。しかし、涙を浮かべて心情を吐露するその姿は、どう見ても彼女の本心だ。 名前一つで、自殺まで思い詰めるような乱心ぶり。 先程までのマミ自身と重なるようなその姿は、どう贔屓目に見ても、評価されるような正義ではない。 しかしそれでもマミは、球磨を貶めたり、蔑んだりしたくはならなかった。 ――的確な采配や戦闘や配慮のできる憧れの人にも、こんな一面があったんだ……。 他人から見れば些細かも知れないことに必死になるその姿は、決して、彼女への尊敬や憧憬を減らすものではなかった。 むしろそれは、彼女への親近感を増させ、仲間としての心を、深めるようなものだった。 そう。 この感情を言い表すならば。 ――『カワイイ』。という言葉になるんだ。 「今からお前は――!」 マミが、今までにすくわれてきた自身の姿を球磨に見た時、球磨は握りこぶしで涙を拭い去っていた。 そして激しい怒りと哀しみを顕わにし、彼女は戛然と言い放った。 その指先が、風を切って球磨川へ突き付けられる。 「今からお前は、『みそくん』と名乗るクマ!!」 『みそくん――!?』 球磨川禊-球磨川=禊。 禊=みそぎ。 みそぎ×愛称=みそくん。 よって球磨川禊は、今後みそくんと呼称されることが適している。 証明終わり。 「みそくん……!!」 両者のやり取りを見つめていた一同は、総員息を飲んだ。 その愛称の持つ響きに、彼らは身を震わせる。 「すごい……! ちょっとよそよそしい雰囲気のあった球磨川さんが一気に親しみやすく……!」 「ウォール・シーナの坊ちゃんから、ウォール・マリアの農家になりました。って感じだな……」 「田楽にするとうまそう」 『誰か否定して!!』 シンジ、ジャン、流子から口々に伝えられる感想に、みそくんは悶絶した。 「そう嫌がるなよ。言い易くていいじゃねぇか。なぁ、裸パンツみそくん」 『その言い方だけはやめろぉ!!』 男子高校生としての尊厳に関わるジャンからの呼びかけを、みそくんはありったけの意志で拒絶する。 肩を叩いてくるジャンの腕を振りほどいて、彼は必死に巴マミへ呼びかけていた。 『ねぇ、マミちゃん!! 何とか言ってくれよマミちゃん!!』 呼ばれたマミは、一瞬きょとんとして、背後の纏流子と顔を見合わせた。 今まで羽交い締めにされていた両腕が放される。 マミは彼の元まで歩いて行って、その視線の高さに跪いた。 口許には、自然に、綻ぶような笑みが浮かんでいた。 「そうね……。カワイイんじゃないかしら? みそくん……」 『マ、ミ、ちゃ、ん……』 「カワイイのは、正義なんでしょう?」 誰からともなくクスクスと笑い声が漏れてくるその空間で、呆然とするその男子の姿を見ながら巴マミは、崩れて灰に還った自分の像を見つめていた。 最後に残ったりょうしんの顔は、『みそくん』が、捕まえていてくれた。 赤面し、泣き笑い、ぐちゃぐちゃに崩れた表情だったけれど。 崩れたままでも、それはそれで、良いものだった。 粉々に展開された自分の姿を他人の中に見て、マミは自分の辿って来た道筋の正義を確かめられた。 死んだりょうしんから逃げて、りょうしんの遺灰に還ったその道は、その正しさを担保された。 他人の中にだけある、マミ自身だけの道は、今ようやく、その灰で描かれた、一枚の地図を得ていた。 可愛い、愛すべき、愛されるべきものは、ここにある。 球磨から恭しく載せ返された帽子の羽飾りは、甲になり切らないまま、乙な色彩を放っていた。 ガラス玉に入ったままのビショップヒグマがそんなやり取りを見つめる中、ふと盾の外から、その空間に喧騒が響いて来ていた。 【――カナリアの籠展開図(BLUMCALE)に続く】
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トップ|基礎知識|合体|訓練所|バトルネット|攻略|マップ|デビル|魔法・技|特殊能力|アイテム|その他 ハイエストピーク W-HighestPeak_HighestPeak1.png 炎の書 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 infobox plugin Error linkパラメーターにはhttpまたはhttpsから始まる正しいURLもしくはwikiページ名を入力してください。 氷の書 ハイエストピーク ハイエストピーク ハイエストピーク ハイエストピーク ハイエストピーク ハイエストピーク ハイエストピーク(一合目) マップ マップ フィールド #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (HighestPeak1.png) 上へ
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第一回放送までの死亡者リスト 時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 凶器 深夜 ダッチ カラミティ・メアリ 003 Take that your fiend 射殺 魔法のトカレフ 深夜 スノーホワイト 暁美ほむら 006 魔弾-タスラム- 射殺 S WM500 深夜 罪木蜜柑 宮沢謙吾 011 School Days 斬首 ペコの真剣 深夜 直枝理樹 トリスタン 016 U&I 斬首 痛哭の幻奏 深夜 フェイト・T・ハラオウン モードレッド 025 DEAD OR ALIVE(前編)025 DEAD OR ALIVE(後編) 斬殺 燦然と輝く王剣 深夜 ワムウ モードレッド 失血死 我が麗しき父への叛逆 黎明 城戸真司 エシディシ 039 Survive Mode 焼死 怪焔王の流法 黎明 秋山蓮 うちはマダラ 044 ブルーバード ベルト破壊 素手 黎明 棗鈴 スイムスイム 048 青い、青い空 刺殺 ルーラ 早朝 リサリサ 浅倉威 052 その血の運命 捕食 ベノスネーカー 早朝 超高校級の詐欺師 九頭龍冬彦 053 Espace 刺殺 ドス刀 早朝 巴マミ 暁美ほむら 056 魔法少女オブ・ジ・エンド 射殺 イングラムM10 早朝 ニコ・ロビン カラミティ・メアリ 062 ワールズエンド・ダンスホール 射殺 魔法のトカレフ 早朝 スバル・ナカジマ カーズ 075 BLOODY STREAM(前編)075 BLOODY STREAM(中編)BLOODY STREAM(後編) 斬殺 輝彩滑刀 早朝 ロック カーズ 捕食 柱の男の肉体 早朝 シーザー・アントニオ・ツェペリ カーズ 失血死 輝彩滑刀 早朝 マシュ・キリエライト ガウェイン 刺殺 転輪する勝利の剣 以上 17人【残り53人】 おまけ 名前 最期の言葉 ダッチ (……は、化物め……) スノーホワイト 「なん、で?」 罪木蜜柑 「絶、望――♪」 直枝理樹 「……ごめん、恭介」 フェイト・T・ハラオウン 「それが――私の使命だから」 ワムウ (何と、美しい) 城戸真司 「――――――――キィィィィィィィィィッッッッッック!!!!!!」 秋山蓮 「……行くぞ」 棗鈴 「おお、しっかりな」 リサリサ 「気高き『黄金の意思』は、きっと……」 超高校級の詐欺師 (結局、『ボク』は、なんて無力――) 巴マミ 「チェックメイトよ。さあ、観念なさい」 ニコ・ロビン 「生憎……『絶望』なんて興味はないの。たとえ此処で死ぬとしても、私の中の『希望』はいつまでも生きているもの」 スバル・ナカジマ 「が……ぅ、あ……」 ロック (は、ははは……) シーザー・アントニオ・ツェペリ 「殺す……てめえだけは、この手で……殺す……ッ!! 殺してやるッッ!! ――待てッ!! おれはまだ――おれはまだ、死んでねえッ!!!」 マシュ・キリエライト 「――だとしても。それが、あの旅の中でわたしが学んだことですから」 殺害数 順位 該当者 人数 このキャラに殺された人 生存状況 スタンス 1位 カーズ 3人 スバル・ナカジマ、ロック、シーザー・アントニオ・ツェペリ 生存 危険対主催 2位 モードレッド 2人 フェイト・T・ハラオウン、ワムウ 生存 優勝狙い 2位T 暁美ほむら 2人 スノーホワイト、巴マミ 生存 奉仕(鹿目まどか) 2位T カラミティ・メアリ 2人 ダッチ、ニコ・ロビン 生存 優勝狙い 5位 宮沢謙吾 1人 罪木蜜柑 生存 奉仕(理樹、鈴) 5位T トリスタン 1人 直枝理樹 生存 優勝狙い 5位T エシディシ 1人 城戸真司 生存 危険対主催 5位T うちはマダラ 1人 秋山蓮 生存 皆殺し 5位T スイムスイム 1人 棗鈴 生存 ステルス 5位T 浅倉威 1人 リサリサ 生存 皆殺し 5位T 九頭龍冬彦 1人 超高校級の詐欺師 生存 奉仕(菜摘)
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鹿目まどか 暁美ほむら 巴マミ もう何も恐くない 美樹さやか 佐倉杏子 食うかい? ひとりぼっちは、寂しいもんな 千歳ゆま 美国織莉子 呉キリカ 愛は無限に有限だよ